算数の力がどれだけ影響力を持つか、
私自身の実際の体験をお話します。
私は幸いにも小学5年生のときに
素晴らしい算数の先生に出会えたことで、
算数そして勉学に目覚めることができました。
その先生は当時通っていた塾の先生だったのですが、
指導力が圧倒的に優れていて、
生徒に徹底的に考えさせるような
授業をしていました。
生徒の心を掴んで、良い方向へ導いてくれたのです。
算数を通して「考える力」をつけると、
他の科目にも連鎖して、成績が上がっていきました。
これは私だけでなく、同じ授業を受けていた
多くのクラスメートも同様だったと思います。
実際、そのクラスは50人程度でしたが、
受験結果としては、御三家レベルだけでも
開成4名、麻布7名、筑波大付属駒場3名、
聖光学院12名、桜蔭3名、女子学院3名(その他多数)
という上々の結果でした。
また、その後偶然に判明した分だけでも
4人は東京大学(理三含む)に合格していました。
算数の力を開発することができれば、
飛躍的に学力を向上させることが
可能だということです。
いわゆる中高一貫の難関進学校の生徒が大学受験において
東大や医学部など優秀な進学実績を残すのは、
彼らが受験勉強を通して小学生のときに
しっかり算数の力を身につけていた、
ということが、大きく影響していると思われます。
ちなみに、中学受験においては
「合否は算数で決まる」といわれる、根拠となるデータがあります。
下のグラフは、どの教科で合格・不合格の差がつくのかを示したものです。
2010年の中学受験の各教科の
合格平均点と受験者平均点を公開している
主要校34校のデータに基づいて、
「受験者全体と合格者を比べて、どの教科でもっとも点差が開いたか」
を分析しています。
これを見ると、算数でもっとも点差が開いた学校が、
89.77%と、ほぼ9割にのぼることが分かります。
具体的にどのくらい点差があるのか、
科目ごとに「受験者平均」と「合格者平均」の差を分析したデータもあります。
下のデータは東京の難関男子校5校のデータですが、
数学が一番差がついていて、しかも他の科目を
圧倒しているのが分かります。
開成だと算数の「合格者平均」と「受験者平均」の差が14.7点、聖光学院においては23.8点となっています。
やはり算数の影響力は絶大だということです。